プログラミングと日々思ったことなど

ブログ名通りです。仕事でプログラミングをはじめました。

さよなら本屋さん

1話だけじゃない。もっと色々な話が読みたい。


500円玉を握りしめ、自分は初めて近所の本屋に向かった。
買いに行った日が夏だったのか、冬だったのかは覚えていない。
ただ当時はアイドルのミニモニが大好きで、多分その日も駄菓子屋で買ったプロマイドを持っていたと思う。

f:id:boa0203:20180712195429j:plain:w300

初めて買う本は決まっていた。
友達の家にあった漫画雑誌に載っていた、ギャグ漫画の単行本だ。
あの漫画はあるだろうか?
胸を高鳴らせ、自分は入り口のドアを開けた。
本屋に入ると目についたのは、天井からぶら下がっている本の種類が書かれたパネルだ。
それを一つ一つ見て、自分は漫画コーナーを探した。
・・・いや、そんなことしなくても見つけられたかもしれない。漫画コーナーは右手すぐにあったのだから。
ともかくその日、自分はギャグ漫画を買えた。
その日から自分はお小遣いがたまったり、お年玉をもらえたりすると、すぐに漫画を買いに行くようになった。

f:id:boa0203:20180712203005j:plain:w400

高校生になると表紙だけを見て内容を想像し、本を買うというのにハマった。
漫画も小説も全く違う内容のものもあったし、想像以上に好みだったり、苦手だったりした。

ただ店内を回って、帰るだけの日もあった。
たくさんの本が置かれているのを確認するだけでも満足した。
それだけで、読書した気になっていた。

自分はとても本が好きだったという訳ではないと思う。
けれども、オレンジと青色と白(だったはず)の正方形が交互に敷き詰められた床が、ポスターを貼ったセロハンの跡だらけの鏡の柱が、古びたトイレが、ずっと買われずにほっとかされ、日に焼けた本が、大好きだった。

日に焼けた本があるというのは、店員の怠慢だと思う人もいるかもしれないが、自分はそうやって綻びがある方が好きだ。

綻びがある方が、店自体生きているように感じた。

そんな宮脇書店浦添店が、数日で無くなる。

閉店した後に初めてこの店付近を歩いた人は、もうここに大きな本屋があったことがわからない。
それは思い出があった場所が、もう自分の記憶の中にしか存在しないということだ。

だからこの記事を書こうと思った。
自分がここにあった思い出を忘れても、誰かの記憶の端に残るように。

さよなら本屋さん。
もっと足を運べばよかった。さよなら。